2017年の実写ドラマ化でも話題になった、湊かなえさんの『リバース』
書店であらすじを読んで即購入しました。
湊かなえさんといえば、読後にちょっと嫌な気分になるミステリーを書くのが得意ですよね。
イヤミスの女王が書いたヒューマンミステリーということで、読む前から楽しみにしていましたが、一気に読んでしまうほど期待どおりの内容でした。
このページでは、簡単なあらすじや感想をまとめて紹介していきます。多少のネタバレがありますので、ご注意ください。
リバースのあらすじ
『深瀬和久は人殺しだ』
事件はこの告発文から始まる。
事務機会社に勤めている深瀬和久。
平凡な彼の唯一の趣味はコーヒーを飲むこと。
ある日の帰宅途中、クローバー・コーヒーというコーヒー豆専門店を見つける。
豆の販売と、コーヒーを飲むこともできるそのお店。
深瀬は毎日のように通っていた。
そこで彼は越智美穂子という女性と出会う。
彼女は近所のパン屋で働いている。
やがて2人は付き合うことになる。
順調に交際していた2人だが、突然、美穂子のもとに「深瀬和久は人殺しだ」という告発文が送りつけられる。
深瀬を問い詰める美穂子。
深瀬には秘密があった。胸のうちに封印していた秘密、それをついに話す時がきた。
それは深瀬の大学時代の話。
3年前、大学時代のゼミ仲間である、村井隆明、谷原康生、浅見康介、広沢由樹と共に2泊3日で斑丘高原へ行き、バーベキューをする事となった。
楽しいはずの旅行中に、ある事件が起こる。
事件の事を聞いた美穂子は深瀬のもとを去り、
そして、深瀬の大学時代のゼミ仲間のもとにも3年前の事件に関する告発文が次々と届く。
一体、誰が何のために告発文を?
真相を確かめる為に動き出す深瀬。
真実を知った深瀬は…。
リバースの感想
この本は全て読み終わるまで決して油断しないで下さい。最後まで読み終わったとき、思わず鳥肌がたちました。
ハッピーエンドで終わらない、さすが湊さんの作品だと思いました。
カバーにもなっているが、今回のお話とコーヒーには深い関わりがあります。
作中に登場する、コーヒー店、コーヒー豆、深瀬の淹れるコーヒー。読み終わった後、「全てがそういう風に繋がっていたなんて!」と思うことでしょう。
現代でいうスクールカーストが作中にも登場し、主人公のもつ劣等感や、人の負の部分の感情がリアルに描かれてます。
「親友だと思っていた人物は自分のことをどう思っていたのだろう?」など、友情について考えさせられ、思わず深瀬に共感してしまう部分もある。
そして、こんなにも悲しい出来事があるだろうか。
事実を知った後の深瀬の気持ちを考えると切なくなる一冊です。
コメント